15年後もデザイナーとして生きる為に今出来る準備とは?
こんにちは、デザイナーを行く末を案じてやまない迷宮入りデザイナーの塩谷です。
私は最近本当にこう考えてしまうのです。
自分がデザイナーという職業でお仕事を頂いて、クライアント様から決して安くないお金をもらっているのですから、こんな無責任な発言は控えるべきです。
しかし、デザイナーという職業で生きていくからには、自分たちの未来についてもしっかり考えなければいけません。
本日は、めちゃくちゃ自分勝手な「デザイナーという生き物が今後も絶滅しない為」の準備と題して、記事を書いてみました。
目 次
10年もすればデザイナーはいらなくなる!?
これは私が最近良く考えていることで、そうは思わない方も沢山おられるでしょう。
この記事はデザイナーがいらなくなるのでは?という仮説を元にして進めますので、そこにご納得いただけない方はブラウザバックをおすすめします。
私が、今後デザイナーという職業がいらなくなると感じる最も大きな要因は、技術の進歩と止められない人間の欲望です。
デザイナーがいらなくなると考える理由
無料で作れるサービスの台頭
技術の進歩が生み出した、画期的なサービスが近年急増しています。
例えば、WixやJimdo、そしてアメーバブログの運営でお馴染みサイバーエージェントが作ったOwnd、これらは無料で本当にカッコイイホームページが簡単に作れてしまいます。
本来であれば、デザイナーが介入するべき仕事を技術が補い、その煩わしいフローを飛び越えてコンシューマー(利用者)が個人で完結して物を制作してしまえるのです。
自分の仕事が無くなるわけですから。
そのテンプレートはデザイナーが作るんだから良いじゃんと感じる人もいるでしょうが、それで良いなら、そういう人はそれで良いんだと思います。
僕は残念ながら、そういったデザイナーにはなれません。
これは、日々クライアントワークでお世話になっているwordpressを使っていても良く感じます。
デザイナーの人はwordpressのテーマを自作する機会が多いと思うので、あまり目に触れない部分かもしれませんが、wordpressの無料テンプレートは異常なまでに進化を遂げています。
めちゃくちゃカッコイイ良く出来たテンプレートが無料で多数公開され、インストールして設定するだけで、素敵なホームページの出来上がりです。
そもそもWEBデザインとは凄く無意味なフローが存在します。
まずはphotoshopでデザインを作って、それをわざわざHTMLで書き直す。とても無駄なフローだと良く感じます。
そのままポンっとWEB化出来るんじゃないかと…
多分すぐ出来ます、そんなアルゴリズム。
Adobeにそういうアプリケーションありますしね。
もちろん、「もっとオリジナルに」「ここはもっとこうしたい」そんな欲求は必ず生まれるので、そこをデザイナーが手助けする道もあるのでしょうが、しかしそんなことは技術がすぐに解決してしまうでしょう。
そして、これは何もWEBデザイナーだけの話ではありません。
様々な業種でも技術進歩が行われている
プロダクトデザイナーだって、どうでしょう?
3Dプリンターがどんどん進化し、一般人でも手の届く安価な値段になってきていることも事実です。
簡単にCGが作れるソフトが無料で公開され、そのまま簡単に3Dプリンターを使って立体物を制作できる、そんな時代はもう手の届くところ、むしろ僕が知らないだけでそんな時代はもう来ているのかもしれません。
Rhinocerosが使えたら大丈夫なんて時代はもう終わったのかもしれませんね。
色んな素材が3Dプリンターで使えるようになってきている昨今、手で作るという作業は非効率と見なされてしまうのかも。
グラフィックだってファッションだって全て同じようなことが言えそうです。
むしろ、デザイナーの領域だけでなくイラストやアニメーション、アートの分野でも技術の進歩はめまぐるしい。
基本的に他者が他人に仕事をお願いするということは、自分にない知識・技術を他者の力を借りて享受するという合理的な理由だと感じます。
もともと、デザイナーという仕事も、クライアント様に変わって、考えていること・思い描いていることを形にして表現してあげるお仕事ですよね。
それを技術が補ってしまえば、デザイナーという仕事は極論いらなくなってしまうというのも一部ご納得頂けるのではないでしょうか。
SNSによるブランディングという脅威
さらに言うと、デザイナーに取って代わる「モノ」まで台等してきているように感じています。
それが、インフルエンサーと呼ばれる存在の出現。
私はそこまで熱心ではないものの、毎日instagramを見る癖がついています。
Instagramやtwitter、YoutubeなどのSNSには、沢山のフォロワーを誇る人々が、その世界の中でまるで芸能人のように影響力を持っています。
彼ら彼女らが発信する言葉や画像・動画には多くのユーザーを動かす力があるのです。
例えば、それらインフルエンサーの人々が、技術の進歩に伴って自分達だけで色んなものを創作できるようになったとすると、全く同じものを「いちデザイナー」が作ったものよりも、よっぽど評価を受けることは想像に難しくありません。
実は昔っから同じことはおこっています。
同じデザイン・同じ素材の財布ですが、一方はエルメスの刻印、一方は名もないブランド、どちらか売れ、そして高値で取引されるかは言わずもがな。
しかし、過去ではなかなか難しかったそういった地位を、SNSが一般人にも享受できる環境を作ったという部分は大きいのではないでしょうか。
人工知能・ロボット技術の発達
人工知能やロボット技術の発達も無視できません。
世間的にも、近い将来ロボットにより人間が職を失うという話は有名ですが、まずは単純作業を行う職業から失っていくと言われています。
最近では、アマゾンが倉庫を全てロボット化したことで話題となりましたが、軽作業と言われる職業はかなり近い将来でロボットに置き換わるでしょう。
デザイナーなどの創作系の職業は遅いと言われてはいるものの、人工知能によるデザインのアルゴリズムは出来上がりつつあるように思いますし、技術が人間を超える時はそう遠くないでしょう。
では、このままデザイナーは黙って死んでいくのか……
そんなことは誰もしたくありません。
未来永劫、デザイナーという仕事を行う為に出来る準備
今後もデザイナーとして生きていく為にはどうすれば良いでしょうか?
僕なりの凄く手前勝手な意見で、準備できることを考えてみました。
自分というブランドの確立
結局当たり前のことを言う結論に至りそうです。
何か、尻窄みで結論が面白くないというか、ちょっと僕が言いたいことはこうじゃない感がありますが、僕の低能な頭ではこんな結果しか生まれませんでした。
是非、この話に共感出来る方は一緒に議論して答えを出したいですね。
では、本題に戻って。
これからデザイナーが生きていくためには「自分というブランドの確立」しか生きる道は無いと思います。
物凄く難しいことですが、他人がアッと驚く唯一無二のセンス・技術を確立することで、「あなた」というブランドに人は魅了され、デザインして欲しいと思うようになります。
しかし、この境地に辿り着けるデザイナーは、スポーツ選手や芸能人と同じで、ほんの一握りでしょう。
ひとつのことをトコトン極め、発信することで、自分というものを他のデザイナーや技術と差別化を図り、周知させることでブランディングする方法はどうでしょうか?
世界は突出した人が好きです。
中途半端な突出は「出る杭を打つ」ではないですが、あまり人気がないのですが、行き過ぎた突出は個性と見なされ、賞賛されやすい傾向にあるように思います。
本当に好きな表現があるという人は、クライアント様を言い負かすくらいの気持ちで、自分の表現を押し通し、自分というブランドを確立することが大事になるでしょう。
技術では提供できない価値を作る
また、「デザイン」という部分に価値を求めず、その先に価値を求める傾向も強くなってきていると感じます。
例えば、企業の方はデザイナーに見栄えだけを求めていることは少ないと思います。
そのデザインを使って、新しいお客様を呼び込んだり、新しいイメージを創り出したり、「結果」を求めています。
「結果を出せるデザイナーになる」
これも大事な要素になりそうです。
デザインコンサルティングとでも言うべきスタイルは、現状でも確立されたサービスです。
アートディレクターと呼ばれる方々は、デザインで企業をコンサルティングしていると言えますよね。
このような地位を確立出来ると、技術ではどうしようもない部分をデザイナーが価値として提供できそうですね。
企業デザイナーとして生きる
一方で、各企業はデザインの大事さにも気づき始めています。
そこで動き始めているのが、企業が自分でデザイナーを囲うという流れ。
大企業はほぼ社内にデザイナーを置いているといっても過言ではないのではないでしょうか。
なぜなら、そのほうが安くつきますし、好きなことが出来るからです。
今後社外のデザイン事務所でお願いする機会は減り、社内にデザイナーを置くという中小企業も増えていくのではないでしょうか?
企業デザイナーとして生きる道が、多くのデザイナーの生きる道となるのかもしれませんね。
反復を読み解く
世の中は0か1かになることは意外と少ないですよね。
実はもっと複雑で、多様性を秘めているものです。
技術の進歩に伴い、コンシューマーが気軽にハイクオリティのデザインを享受できるようになったとしても、反復した需要もきっと生まれます。
それをいち早く読み解き、その市場に打って出たデザイナーも、生き残り戦争に勝利できそうです。
そもそも論として、デザイナーは新しい価値を生み出し続けることがお仕事の本質でもあるので、時代や技術が変わったとしても、今と同じように前に進み続けることで「デザイナー」という職業を確立できるのかもしれません。
まとめ
時代とともに求められることが変わっていくのは、どんな職業でも同じことです。
15年後もデザイナーがデザイナーとして生きられる為に、皆さんが思うことを今から実践してみてはいかがでしょうか?
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- リースエンタープライズ レジェンズ
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リースエンタープライズを創業時期から現在まで中心となって支えてきた人たちが残したブログやクリエイティブ作品、そして日々学んだデザインやマーケティングなどに関する教養をまとめています。